イヤホンケースは基本的に、「作り目」→「底」→「側面」→「口部分」→「紐またはフタ」→「糸始末」という順番で編み進めることができます。
初心者には、底から側面へと続けて編み上げる、シンプルな「巾着・ポーチ型」が最も作りやすくておすすめです。
一方で、箱のような四角い形にしたい場合は、本体と左右のマチなどを別々の平面パーツとして編んでから、最後にとじ合わせるという作り方もあります。
この記事では、かぎ針編みでイヤホンケースを作るために必要な材料や道具から、具体的な制作工程、自分の持っているイヤホンのサイズに合わせた目数・段数の考え方までを詳しく解説します。
「編み図通りに編んだのにサイズが合わなかった」「途中で目が減ってしまった」といった失敗したときの対処法も紹介しますので、ぜひ手元のイヤホンと毛糸を用意して、記事を読みながら一緒に編み進めてみてください。
1. イヤホンケース編み方を実践する前に知っておきたい全体像と種類の違い
イヤホンケースを編み始める前に、まずは「どんなケースを作りたいか」をイメージしてみましょう。
ひと口にイヤホンケースといっても、実はいくつか種類があります。
・充電ケース用のぴったりカバー:AirPodsなどのプラスチック製充電ケースに、直接かぶせて使う薄手のカバーです。ケースの形に合わせて細かくサイズ調整する必要があるため、初心者さんには少し難しく感じるかもしれません。
・ワイヤレスイヤホン収納ポーチ:充電ケースごと入れたり、有線イヤホンをくるくると巻いて収納したりできる、少しゆとりのあるミニポーチです。多少サイズが前後しても使いやすいので、初めてイヤホンケースを編む方には特におすすめです。
・有線イヤホン専用ケース:コードが絡まないように、平たい円形などに編み、ボタンで留めて使うタイプです。コンパクトにまとめられるので、バッグの中でイヤホンをすっきり収納したいときにも便利ですよ。
この記事では、この中でも初心者さんが挑戦しやすく、サイズ調整もしやすい「基本のイヤホンケース(ミニポーチ・巾着型)」を中心に、編み方をわかりやすくご紹介していきます。
2. イヤホンケースを編むために必要な材料と道具
イヤホンケースを編むなら、まずは必要な材料と道具を揃えていきましょう。
といっても、最初から高価な道具を用意する必要はありません。100円ショップの手芸コーナーで手に入るものでも、十分に始められますよ。
2-1. 毛糸
イヤホンケース作りのメインとなる材料です。
毛糸にはさまざまな種類がありますが、素材によって編みやすさや完成したときの手触りが変わります。季節や好みに合わせて選んでみてくださいね。
コットン(綿)素材の毛糸は、季節を問わず1年中使いやすいのが魅力です。毛羽立ちが少なく編み目も見やすいので、初めて編み物に挑戦する方にもおすすめです。
一方、アクリル素材の毛糸は、ふっくらとしていて弾力があります。イヤホンをやさしく包み、衝撃から守れるようなクッション性を重視したいときにぴったりです。
ただ、コットンに比べると少し毛羽立ちやすいため、編み目を見失わないように気をつけながら編んでみましょう。
毛糸の太さで迷ったら、「並太(なみぶと)」と呼ばれる一般的な太さがおすすめです。比較的早く編み上がり、編み目も数えやすいので、初心者の方でも扱いやすいですよ。
2-2. かぎ針
かぎ針は、毛糸を編んでいくために使う専用の針です。
かぎ針には「号数」があり、数字が大きくなるほど針も太くなります。
「何号を選べばいいの?」と迷ったときは、購入した毛糸のラベル(帯)を確認してみてください。
ラベルには「適合針:かぎ針◯号〜◯号」といった表示があるので、その範囲に合うかぎ針を選べば大丈夫です。
並太の毛糸なら、5号〜7号くらいのかぎ針を使うことが多いでしょう。
2-3. とじ針
とじ針は、編み終わったあとの「糸始末」や、パーツ同士を縫い合わせるときに使います。
糸始末とは、編み終わったあとに残った糸端を、編み地の中へきれいに隠す作業のことです。
一般的な縫い針とは違い、とじ針は先端が丸く、毛糸を通しやすいように針穴も大きめに作られています。
選ぶときは、使う毛糸が無理なく通る大きさの針穴かどうかを確認しておくと安心です。
2-4. はさみ
はさみは、毛糸を切るために使います。
手芸用の糸切りばさみがあると便利ですが、持っていなければ普通の文房具用のはさみでも問題ありません。
まずは家にあるものを使って、気軽に始めてみてもいいですね。
2-5. 編み物マーカー(段数マーカー)
編み物マーカーは、安全ピンのような形をした小さな目印です。編み目に取り付けて使います。
イヤホンケースのような立体的なものを編むときは、「どこから1段目が始まったんだっけ?」と分からなくなってしまうことがあります。
そんなときに役立つのが、この編み物マーカーです。
「ここが段の最初の目」と印をつけておくだけで、どこまで編んだのか確認しやすくなります。
特に編み物に慣れていないうちは、ひとつ持っておくと心強いアイテムですよ。
2-6. ボタン、ホック、紐など(必要に応じて)
作りたいイヤホンケースのデザインに合わせて、ボタンやホック、紐なども用意しましょう。
巾着型にしたい場合は、ケースの口を絞るための紐が必要です。市販の紐を使ってもいいですし、毛糸を編んで紐を作ることもできます。
フタ付きのケースにしたい場合は、ボタンやスナップボタンを用意すると使いやすくなります。
「どんなケースにしたいかな?」と完成した姿を思い浮かべながら材料を選ぶのも、編み物の楽しいところですね。
3. イヤホンケースを編む前に覚えておきたい基本の編み方
イヤホンケースを編み始める前に、まずはこれから使う基本の編み方を軽く確認しておきましょう。
といっても、最初からすべてを覚える必要はありません。
「この編み方は、どこで使うのかな?」「何のために必要なのかな?」と、なんとなくイメージできれば大丈夫です。
実際に手を動かしながら、少しずつ覚えていきましょう。
3-1. 鎖編み(くさりあみ)
鎖編みは、かぎ針編みの土台になる基本的な編み方です。
糸をかぎ針に引っかけてループの中に通す、という動きを繰り返していきます。編み進めると、名前のとおり鎖のような細長い形になります。
イヤホンケースでは、一番最初の「作り目(編み始めるためのベースとなる目)」を作るときに使います。
そのほか、巾着の紐を編んだり、次の段を編み始めるための「立ち上がりの目」を作ったりするときにも登場します。
最初によく使う編み方なので、まずはここから慣れていきましょう。
3-2. 細編み(こまあみ)
細編みは、今回のイヤホンケースで特によく使う編み方です。
針を編み目に入れて糸を引き出し、もう一度糸をかけて、かぎ針にかかっている2本のループを一気に引き抜きます。
細編みで編むと、目の詰まったしっかりとした編み地に仕上がります。
イヤホンケースでは、「底」や「側面」など、本体のほとんどをこの細編みで作っていきます。
編み目がしっかり詰まるので、小さなイヤホンもケースの中に収まりやすいのがうれしいところです。
3-3. 増し目(ましめ)
増し目とは、1つの編み目に2回、またはそれ以上編み入れて、編み目の数を増やしていく方法です。
イヤホンケースでは、主に「底」を平らに広げるために使います。
底を編むときは、中心から外側へ向かって少しずつ大きくしていきます。ただし、同じ目数のまま編み続けると、編み地がお椀のように丸まってしまいます。
そこで活躍するのが増し目です。
カーブする部分で少しずつ目を増やしていくことで、編み地がきれいな楕円形に広がっていきます。
「平らに広げるために目を増やす」と覚えておくと分かりやすいですよ。
3-4. 輪編みと往復編み
輪編みと往復編みは、編み地をどの方向へ編み進めていくかの違いです。
「輪編み(わあみ)」は、筒状になるように、ぐるぐると同じ方向へ編み進めていく方法です。
今回作る基本のポーチ型イヤホンケースでは、側面をこの輪編みで編んでいきます。ぐるっと続けて編めるので、側面に大きな継ぎ目ができにくいのも特徴です。
一方、「往復編み(おうふくあみ)」は、右から左へ編んだあとに編み地を裏返し、また右から左へ編んでいく方法です。
行ったり来たりしながら編み進めることで、平らな編み地を作れます。
イヤホンケースでは、マチ付きタイプなど、平らなパーツを作るときに使うことがあります。
3-5. 長編み(ながあみ)
長編みは、細編みよりも一目の高さが出る編み方です。
細編みに比べると、少しすき間のある軽やかな編み地に仕上がります。
イヤホンケースでは、巾着型にするときの「紐を通す穴」を作るために使うことがあります。
編み目にほどよいすき間ができるので、そこへ紐を通せるようになるというわけです。
細編みとの仕上がりの違いを見比べてみるのも楽しいですよ。
3-6. 糸始末
最後に覚えておきたいのが「糸始末」です。
糸始末とは、編み始めや編み終わりに残った毛糸の端を、とじ針に通して編み地の裏側へくぐらせ、目立たないように整える作業のことです。
少し地味に感じるかもしれませんが、きれいに仕上げるためには大切な工程です。
糸端を丁寧に始末しておくと、使っているうちに編み地がほどけにくくなり、イヤホンケースを長く使いやすくなります。
見た目を整えるだけでなく、作品を丈夫に仕上げるためのひと手間として、最後まで丁寧に行いましょう。
4. 初心者向け|基本のイヤホンケースの編み方
ここからは、初心者さんでも挑戦しやすい「底から続けて編む、シンプルな巾着・ポーチ型」のイヤホンケースの作り方をご紹介します。
基本の流れは、「作り目→底→側面→口部分→紐またはフタ→糸始末」です。
最初に全体の流れをイメージしておくと、「今どこを編んでいるのかな?」と迷いにくくなります。ひとつずつ順番に進めていきましょう。
4-1. 手順1:イヤホンのサイズを確認する
まずは編み始める前に、収納したいイヤホンや充電ケースのサイズを測っておきましょう。
確認するのは、次の3ヶ所です。
・横幅(一番長い部分)
・厚み(奥行き)
・高さ
手編みのケースには多少の伸縮性がありますが、小さすぎるとイヤホンを出し入れしにくくなり、大きすぎると中で動いたり、場合によっては落ちてしまったりすることがあります。
特に意識したいのが「厚み」です。
完成したケースでは、この厚みの分だけ編み地が立体的にふくらみます。そのため、横幅だけでなく厚みも考えながら底のサイズを決めておくと、イヤホンにちょうどよいサイズへ仕上げやすくなります。
難しく考えすぎなくても大丈夫です。まずは3ヶ所を測って、数字をメモしておきましょう。
4-2. 手順2:作り目をして底の中心を編む
サイズを測れたら、ケースの土台になる「作り目」を作ります。
最初に鎖編みを編み、底の中心になる直線状のベースを作っていきましょう。
ここで初心者さんが迷いやすいのが、「鎖編みを何目編めばいいの?」というところです。
目数を決めるときは、
「イヤホンの横幅」−「イヤホンの厚み」
をひとつの目安にします。
例えば、イヤホンの横幅が6cm、厚みが2.5cmの場合は、
6cm − 2.5cm = 3.5cm
となります。
この場合は、鎖編みの長さが約3.5cmになるまで編めばOKです。
「3.5cmなら○目」と決まっているわけではありません。毛糸の太さやかぎ針のサイズ、編むときの力加減によって、必要な目数は人それぞれ変わります。
そのため、定規をそばに置いて、鎖編みに当てながら長さを確認してみましょう。必要な長さになったところで止めれば大丈夫です。
なお、このあとの計算を分かりやすくしたい場合は、作り目を偶数にそろえておくと進めやすくなります。
4-3. 手順3:底をイヤホンの大きさまで楕円形に広げる
作り目の鎖編みができたら、その周りをぐるぐると細編みで編み、ケースの底を作っていきます。
細長い楕円形の底をイメージすると分かりやすいですよ。
最初の段では、鎖編みの裏山、または半目を拾いながら、端まで細編みを編みます。
端まできたら、ここで「増し目」をします。
端の1つの目に、細編みを3回編み入れてみましょう。ひとつの目に複数回編み入れることで、編み地が自然にカーブし、反対側へ回れるようになります。
そのまま反対側も細編みで進み、スタート地点側の端にも増し目をして1周をつなぎます。
1周できたら、次の段の最初の目に「編み物マーカー」をつけておきましょう。ぐるぐる編んでいると段の始まりが分かりにくくなるので、マーカーがあると安心です。
2段目以降も、基本的な編み方は同じです。
カーブしている両端では増し目をし、まっすぐな部分は1目につき1回ずつ細編みを編んでいきます。
底をどこまで大きくすればよいか迷ったら、途中で実際のイヤホンを編み地の上に置いてみましょう。
編んでいる底が、イヤホンケースの底面となる「横幅×厚み」よりひと回り大きくなり、イヤホンを置いたときに底面がすっぽり隠れるくらいになればOKです。
ここまでできたら、底の部分は完成です。
4-4. 手順4:側面を編んで高さを出す
底がちょうどよい大きさになったら、次は側面を編んで高さを出していきます。
「側面は難しそう」と感じるかもしれませんが、ここからはとてもシンプルです。
やることは、これまで行っていた「増し目をやめる」だけです。
両端でも増し目をせず、すべての目に1回ずつ細編みを編んでいきましょう。
目数を増やさずに同じ数のまま編み続けると、平らだった編み地が少しずつお椀のように立ち上がり、やがて筒状になっていきます。
形が変わってくると、ケースらしさが見えてきて楽しくなってくるところです。
このときも、段の最初の目が分かるように、編み物マーカーを毎段付け替えておきましょう。
側面は増し目がないので、基本的には同じ編み方の繰り返しです。慣れてきたら、リズムよく編み進められるようになります。
高さをどこまで出すかは、実際にイヤホンをケースの中へ入れて確認してみましょう。
イヤホンがすっぽり隠れ、さらに口を絞ったりフタを付けたりするための余裕が1〜2cmほど残る高さまで編めれば十分です。
4-5. 手順5:口部分を作る
希望の高さまで編めたら、次はケースの口部分を作ります。
今回は、初心者さんでも作りやすいシンプルな巾着型に仕上げていきましょう。
巾着にする場合は、紐を通すための小さな穴を作ります。
側面の最後の段を、次の順番で編んでみてください。
- 細編みを1回編む
- 鎖編みを1回編む
- 前の段の目を1目飛ばし、次の目に細編みを編む
- 同じ流れを1周繰り返す
「鎖編みを1回して、下の目を1つ飛ばす」という編み方を繰り返すことで、編み地に等間隔の小さな穴ができます。
この穴が、あとで巾着の紐を通す部分になります。
1周編み終わったら、糸を10cmほど残してカットし、最後の輪から糸端を引き抜いておきましょう。
4-6. 手順6:紐またはフタを作る
次は、ケースの口を絞るための紐を作ります。
一番簡単なのは、毛糸を2本一緒に持って編む「2本取り」にして、鎖編みを長く編んでいく方法です。
イヤホンケースの周囲の長さを測り、その2倍より少し長めになるまで鎖編みを続けましょう。
十分な長さになったら、両端の糸を結んでおきます。
もう少ししっかりした紐にしたい場合は、「スレッドコード」という編み方を使う方法もあります。
また、毛糸にこだわらず、市販の革紐やリボンを通しても素敵です。素材を変えるだけでも雰囲気が変わるので、お好みに合わせて選んでみてくださいね。
紐ができたら、手順5で作った口部分の穴へ、上下を交互に通すようにくぐらせていきます。
※巾着ではなくフタ付きのケースにしたい場合は、側面の半分ほどの目数だけを使い、往復編みで数段編み伸ばします。長方形のフラップ(フタ)ができたら折り返し、ボタンで留める形にすると作れます。
4-7. 手順7:糸始末をして完成させる
最後は、編み始めや編み終わりに残っている糸端をきれいに処理していきます。
糸端をとじ針に通し、ケースの内側など目立ちにくい部分の編み目へ、ジグザグに数針くぐらせて隠しましょう。
一方向へ通すだけでも始末できますが、一度くぐらせたあとに少し戻る方向へも針を入れておくと、糸が抜けにくくなります。
普段使いするケースは何度も触れるものなので、ここで少し丁寧に始末しておくと安心です。
最後に、余った糸を編み地ぎりぎりのところではさみでカットします。
全体の形をやさしく整えたら、基本のイヤホンケースの完成です。
お気に入りのイヤホンを入れてみて、サイズ感や出し入れのしやすさを確認してみてください。
自分で編んだケースにイヤホンがぴったり収まると、ちょっとうれしく感じられるはずです。
5. マチ付きのイヤホンケースを編みたい場合
基本のポーチ型(底から輪編みで筒状にするタイプ)よりも、もう少し角のある箱型や、立体的で四角いイヤホンケースを作りたいときは、「マチ付き」の形がおすすめです。
マチ付きのケースは、まず平面のパーツを編み、最後に組み合わせて立体にしていきます。
洋服の型紙や、ペーパークラフトの展開図をイメージすると分かりやすいでしょう。最初は少し難しそうに感じるかもしれませんが、パーツごとに分けて作れば、ひとつずつ落ち着いて進められます。
5-1. 平面のパーツを作り、最後に立体へ組み立てる考え方
マチ付きの立体的なケースを初めて編むなら、最初からすべてをつなげて編もうとしなくても大丈夫です。
まずは、以下の3つのパーツに分けて作ると進めやすくなります。
・本体パーツ(前面・底・背面をつなげた1枚の細長い長方形)
・右マチパーツ(側面になる縦長の長方形)
・左マチパーツ(側面になる縦長の長方形)
それぞれを「往復編み」で平らに編み、最後にとじ合わせて立体にしていきます。
ひとつずつ見るとシンプルなので、初心者の方でも形を確認しながら作れますよ。
5-2. 本体部分(表・底・裏)を続けて編む
まずは、イヤホンケースの正面から底を通り、裏側までをぐるっとカバーする長い「本体パーツ」を編んでいきます。
- イヤホンの「横幅」に合わせて、鎖編みで作り目をします。
- そのまま細編みで往復編みをします。右から左へ編んだら編み地を裏返し、また反対方向へ編んでいきましょう。
- 「イヤホンの高さ+底の厚み+イヤホンの高さ」くらいの長さになるまで、まっすぐ編み進めます。
- 細長い長方形の編み地ができたら、糸を切ります。
このパーツが、ケースの表・底・裏につながる部分になります。
5-3. 左右のマチ部分を編む
続いて、ケースの両サイドの厚みになる「マチパーツ」を2枚作ります。
- イヤホンの「厚み」に合わせて、鎖編みで作り目をします。本体パーツよりも目数は少なくなるのが一般的です。
- 細編みの往復編みで、そのまままっすぐ編み進めます。
- 「イヤホンの高さ」と同じくらいになるまで編みます。
- 同じ大きさの長方形をもう1枚作り、左右合わせて2枚用意します。
2枚の大きさがなるべくそろうように、段数を数えながら編んでおくと、あとで組み立てやすくなります。
5-4. 本体とマチをとじ合わせる
3つの平面パーツが完成したら、いよいよ立体に組み立てていきます。
まず、本体パーツをU字型になるように折り曲げます。その両サイドにできた隙間を埋めるように、左右のマチパーツを合わせてみましょう。
位置が決まったら、編み地がズレないように、数カ所をマーカーやマチ針で仮止めしておくと安心です。
とじ合わせ方はいくつかありますが、初心者の方なら「巻きかがり」か「細編みではぎ合わせる」方法が分かりやすいでしょう。
巻きかがりは、とじ針に毛糸を通し、2枚の編み地の端同士をぐるぐると縫うようにつないでいく方法です。
一方、細編みではぎ合わせる場合は、かぎ針を使います。2枚の編み地に同時に針を入れながら細編みをして、少しずつつないでいきます。
こちらは縁にしっかりとしたラインが出るため、そのラインをデザインのアクセントとして楽しむこともできます。
好みの仕上がりに合わせて選んでみてくださいね。
5-5. 口またはフタを仕上げる
立体的な箱型に組み上がったら、最後に上部の開口部を仕上げます。
シンプルに仕上げたい場合は、上部にボタンとループを付けて留める形でも十分かわいく仕上がります。
もう少しデザイン性を出したいなら、本体パーツをあらかじめ少し長めに編んでおき、上からパタンと折り曲げるフタ(フラップ)にするのも素敵です。
ボタンの色や形を変えるだけでも、ぐっと雰囲気が変わります。
最後に、残った糸をきれいに始末したら完成です。
6. 自分のイヤホンに合わせてサイズを調整する方法
イヤホンケースを手編みする魅力のひとつは、使っているイヤホンのサイズや形に合わせて、ぴったりのケースを作れることです。
編み図に書かれている目数をそのまま覚えなくても大丈夫です。大切なのは、実際のイヤホンに当てながら「もう少し大きくしようかな」「ここは少し短くてもよさそう」と調整していくこと。
この感覚をつかんでおくと、イヤホンの形や使う毛糸が変わっても、自分でサイズを合わせやすくなりますよ。
6-1. 横幅を変えたい場合の調整方法
ケースをもう少し横に広くしたい、または少しコンパクトにしたいときは、最初に作る「鎖編みの数」で調整します。
手順2でご紹介したように、ケースの横幅は「作り目の長さ+両端のカーブ部分の広がり」で決まります。
イヤホンの横幅が広めなら鎖編みを少し増やし、小さめなら減らしてみましょう。
定規でサイズを測ってもいいですし、鎖編みの上にイヤホンを実際に置いて確認する方法でも大丈夫です。
「このくらいなら入りそう」と思える長さになるまで、少しずつ調整してみてくださいね。
6-2. 厚みを変えたい場合の調整方法
イヤホンケースの厚み(奥行き)を調整したいときは、「底を広げる段数」を変えていきます。
厚みのあるイヤホンなら、増し目をしながら底を3段、4段と編み、楕円形を少しずつ大きくしてみましょう。
反対に、薄めのイヤホンなら、1〜2段ほどで増し目を終えて、早めに側面を編み始めても大丈夫です。
迷ったときは、編んだ底の上にイヤホンを立てて置いてみるとわかりやすいですよ。
イヤホンが底からはみ出さなくなったら、そこが「増し目ストップ」の目安です。
6-3. 高さを変えたい場合の調整方法
ケースをもう少し深くしたい、または浅くしたいときは、「側面を編む段数」で調整できます。
ここは比較的わかりやすく、編んでいる途中でイヤホンをケースの中にスポッと入れてみるだけで確認できます。
まだイヤホンの頭が見えているようなら、そのまま数段編み足してみましょう。
反対に、「ちょっと深すぎたかも」と感じたら、数段ほどいて短くすれば大丈夫です。
実際にイヤホンを入れながら確認すると、自分好みの高さに合わせやすくなりますよ。
6-4. 毛糸の太さやかぎ針の号数を変える場合の考え方
「編み図では並太の毛糸を使っているけれど、手元には細い毛糸しかない」ということもありますよね。
そんなときも、編み図とまったく同じ目数にこだわらなくて大丈夫です。
細い毛糸や号数の小さいかぎ針を使うと、ひとつひとつの編み目が小さくなります。そのため、同じ20目を編んでも、仕上がりは小さめになります。
この場合は、作り目や段数を少し多めにして、イヤホンのサイズに近づけていきましょう。
反対に、極太の毛糸を使うと、一目一目が大きくなるため、少ない目数や段数でも大きく仕上がります。
ここで覚えておきたいのは、「何目編むか」よりも「イヤホンに合わせて何cmくらいにするか」ということです。
編んでいる途中で何度かイヤホンと見比べながら進めれば、数字にとらわれすぎなくても大丈夫。
使う毛糸が変わっても、自分のイヤホンにぴったり合うケースに仕上げやすくなりますよ。
7. イヤホンケースがうまく編めないときの原因と対処法
かぎ針編みを始めたばかりのころは、イヤホンケースのような立体的な小物を編んでいると、「あれ?なんだか形がおかしい……」と戸惑うことがあります。
でも、ちょっとした編み目の数え間違いや力加減が原因になっていることも多いので、あまり心配しなくても大丈夫です。
うまく編めないと感じたときは、これから紹介する原因と対処法をひとつずつ確認してみましょう。
7-1. 編み地がだんだん狭くなる
まっすぐ筒状になるはずの側面が、編み進めるうちに少しずつ狭くなり、すぼまってしまうことがあります。
原因:
どこかで編み目を飛ばしてしまい、全体の目数が減っている可能性があります。
特に、前の段の「最初の目」と「最後の目」は少し見つけにくく、かぎ針編みを始めたばかりのころはうっかり飛ばしてしまいがちな部分です。
対処法:
一周編み終わるたびに、目数を数えておくと安心です。
また、段の「最初の目」には編み物マーカーをつけておきましょう。一周して戻ってきたときに、どこへ針を入れればよいのかがわかりやすくなります。
7-2. 編み地がどんどん広がる
側面をまっすぐ編みたいのに、ラッパのように口がどんどん広がってしまうこともあります。
原因:
底のカーブ部分で行う「増し目(同じ目に2回編むこと)」を、側面に入ってからも続けてしまっている可能性があります。
また、ひとつの目に間違えて2回以上針を入れている場合もあります。
対処法:
側面では、基本的に「ひとつの目に1回ずつ」細編みをしていきます。
もし途中から広がってしまった場合は、目数が増え始めた段まで少しほどいてみましょう。
「1目につき1回」になっているかを確認しながら編み直すと、きれいな筒状に整いやすくなります。
7-3. 底が平らにならず波打ってしまう
底を編んでいるときに、きれいな楕円形にならず、フリルのようにうねうねと波打ってしまうことがあります。
原因:
カーブ部分で増し目をしすぎているか、編むときの力が少し強くなっている可能性があります。
狭いスペースにたくさんの目を入れすぎると、編み地が収まりきらず、波打ちやすくなります。
対処法:
まずは、増し目の回数が編み方のルールどおりになっているか確認してみましょう。
目数が合っている場合は、少し肩の力を抜いて、糸を強く引っ張りすぎないように編んでみてください。
ふんわりとした力加減を意識すると、底が平らに整いやすくなります。
7-4. 完成したケースがきつくてイヤホンが入らない
せっかく完成したのに、イヤホンを入れてみたらギチギチ……。ケースが引っ張られて、形が崩れてしまうこともあります。
原因:
底のサイズを決めるときに、イヤホンの厚みまで十分に考えられていなかった可能性があります。
また、編んでいる途中で力が入り、編み目が予定よりきつくなっていることも考えられます。
対処法:
手編みの編み地には多少伸縮性がありますが、底は実際のイヤホンよりひと回り大きめに作っておくと安心です。
目安としては、数ミリ〜1cm程度のゆとりを持たせてみてください。
それでもきつくなりそうな場合は、作り目を2目ほど増やしたり、底を1段多く編んだりしてサイズを調整すると、ゆとりのあるケースに仕上がりやすくなります。
7-5. ケースが大きすぎて隙間があく
反対に、イヤホンを入れてもケースがブカブカで、「このままだと飛び出してしまいそう」と感じることもあります。
原因:
使っている毛糸の太さに対して目数が多かったり、側面を必要以上に高く編んでいたりする可能性があります。
対処法:
少し大きいくらいであれば、すぐに作り直さなくても調整できることがあります。
巾着タイプなら口部分の紐を少しきつめに結んだり、ボタンタイプならボタンの位置を少し下げたりすると、イヤホンが飛び出しにくくなります。
かなり大きくなってしまった場合は、底の増し目を少し早めに終えて、サイズを調整しながら編み直してみましょう。
7-6. 側面が斜めに歪んでしまう
側面を輪編みしていると、継ぎ目のラインが少しずつ斜めにずれて、ケース全体がねじれたように見えることがあります。
原因:
段を切り替えるときの「立ち上がりの鎖編み」や「引き抜き編み」を1目として数え、そこへ細編みをしている可能性があります。
その状態が続くと、段のスタート位置が少しずつずれていきます。
対処法:
基本的には、立ち上がりの鎖編みと引き抜き編みは目数に含めません。
最初の細編みを編んだら、その目にすぐ編み物マーカーをつけておくとわかりやすくなります。
一周して戻ってきたら、引き抜き編みの部分には細編みをせず、マーカーをつけた最初の目へ引き抜き編みをします。
最初のうちは少し迷いやすいところなので、マーカーを目印にしながらゆっくり確認してみてください。
7-7. どこを編んでいるのか目数が分からなくなる
編んでいる途中で、
「今、何目めだったかな?」
「次の段に進むのはどこ?」
と、わからなくなってしまうこともあります。
かぎ針編み初心者さんには、とてもよくあることです。
原因:
目印をつけず、見た目だけを頼りにぐるぐると編み進めていると、途中で段の境目がわかりにくくなります。
かぎ針編みを始めたばかりのころは、ひとつひとつの目の形を見分けるのも意外と難しいものです。
対処法:
そんなときに頼りになるのが「編み物マーカー」です。
段の「最初の目」には、できるだけマーカーをつけておきましょう。
底を編んでいるときは、増し目をするカーブの始まりと終わりにもマーカーをつけておくと、さらにわかりやすくなります。
「どこを編んでいるのかわからなくなる」という失敗をかなり減らせるので、慣れるまでは遠慮せずたくさん使ってみてください。
8. イヤホンケースをかわいくアレンジする方法
基本の形が編めるようになったら、好きな色や飾りをプラスして、自分好みのイヤホンケースに仕上げてみましょう。
初めてアレンジする場合は、まず単色の基本形を1つ最後まで完成させてみるのがおすすめです。全体の形や編み方の流れがわかってから2個目に挑戦すると、アレンジもしやすくなりますよ。
8-1. 色を変えてボーダーやバイカラーにする
毛糸の色を途中で変えるだけでも、ケースの雰囲気はぐっと変わります。
数段ごとに色を交代させれば、かわいいボーダー柄に。底面と側面で色を変えれば、おしゃれなバイカラー(ツートンカラー)に仕上がります。
きれいに仕上げるコツは、糸を替えるタイミングです。段の最後に「引き抜き編み」をするとき、最後まで編み切る直前に新しい色の糸を引き出すと、色の境目がきれいに整います。
好きな色を組み合わせながら、自分らしい配色を楽しんでみてくださいね。
8-2. 縁編みやフリルで飾る
ケースの口部分(開口部)の最後の段に、飾り編みをプラスするのもおすすめです。
たとえば、細編みの代わりに「松編み」を取り入れると、ふんわりとしたかわいい縁取りを作れます。松編みとは、同じ目に長編みを複数回編み入れる方法です。
半円が連なったような「スカラップ模様」にしたり、鎖編みをループ状に編みつけたりすると、ガーリーなフリル風のデザインも楽しめます。
縁の部分を少し変えるだけなので、「大きく形を変えるのはまだ不安……」という方にも取り入れやすいアレンジです。
8-3. 持ち手やストラップを付ける
イヤホンケースをバッグの中で探すことが多い方は、持ち手やストラップを付けてみるのも便利です。
ケースの側面上部に、手芸店や100円ショップなどで購入できるDカン(D字型の金具)を編み込んだり、あとから縫い付けたりします。
そこにナスカン付きの短いストラップやカラビナを取り付ければ、バッグの持ち手などに簡単に付けられるようになります。
見た目がかわいくなるだけでなく、使いやすさもぐんとアップするアレンジです。お気に入りのストラップを合わせて、自分だけのイヤホンケースに仕上げてみてくださいね。
9. イヤホンケースの編み方に関するよくある質問
イヤホンケースを編むときに、「こんなときはどうすればいいの?」と迷うこともありますよね。
ここでは、イヤホンケース作りでよくある疑問をまとめました。これから初めて編む方も、ぜひ参考にしてみてください。
9-1. 100均の毛糸でもイヤホンケースは編めますか?
はい、100均の毛糸でも十分に編めますよ。
最近は100円ショップの手芸コーナーも充実していて、コットンやアクリル、ウールなど、さまざまな素材や色の毛糸がそろっています。
イヤホンケースのような小さな小物であれば、100均の毛糸1玉(約25g〜40g)でも十分に作れます。
まずは気軽に編んでみたいという方の練習用にもぴったりです。
9-2. 初心者には何号のかぎ針がおすすめですか?
使う毛糸によって変わりますが、初心者の方には「並太」の毛糸と「5号〜7号」のかぎ針の組み合わせがおすすめです。
細すぎるレース糸などは、編み目を拾うのが少し難しくなります。反対に、極太の毛糸は、イヤホンケースのような小さな小物の形を整えにくいことがあります。
そのため、最初は細すぎず太すぎない並太くらいの毛糸を選ぶと、比較的編みやすいですよ。
9-3. AirPodsなど充電ケースのカバーにも同じ編み方を使えますか?
基本となる「底から編んで、側面を立ち上げていく」という作り方は同じです。
ただし、AirPodsなどのプラスチックケースにぴったり沿わせるカバーを作りたい場合は、少し注意が必要です。
数ミリ大きいだけでもカバーが外れやすくなるため、途中で何度かケースに合わせながら、少しきつめを意識して編むと安心です。
また、充電ポートの部分に穴を作ったり、フタを開け閉めしやすいように上下を分けて編んだりする工夫も必要になります。
そのため、ゆとりのあるポーチ型に比べると、少し難易度は高めです。
初めて作る場合は、まずポーチ型から挑戦してみるのもおすすめですよ。
9-4. 編み図がなくても本当に作れますか?
はい、編み図がなくても作れます。
イヤホンケースのような小物の場合は、すべての目数が書かれた編み図を見るよりも、
「イヤホンの横幅に合わせて作り目をする」
「イヤホンが隠れる高さまで側面を編む」
といった、基本の形やサイズの合わせ方を覚えるほうが作りやすいこともあります。
この記事で紹介した手順を参考にしながら、途中で実物のイヤホンを入れてサイズを確認していけば、編み図がなくても少しずつ形にできますよ。
9-5. イヤホンケースを編むのにどれくらい時間がかかりますか?
編み物の経験や選ぶ毛糸の太さによって変わりますが、初めての方が編み方を確認しながら作る場合は、2〜3時間ほどを目安にするとよいでしょう。
基本の細編みと輪編みが中心であれば、作業そのものはそれほど複雑ではありません。
慣れてくると、1時間ほどでサクサク編めるようになることもあります。
最初は時間を気にしすぎず、ひと目ずつゆっくり進めてみてくださいね。
9-6. 毛糸はどれくらい必要ですか?
一般的なサイズのワイヤレスイヤホンを入れるミニポーチ型であれば、並太毛糸1玉ほどあれば十分です。
目安としては、約30g、糸の長さが60m前後あるものなら、少し余るくらいでしょう。
余った毛糸を使って、紐を作ったり、色を変えて飾りを加えたりするのもかわいいですよ。
基本的には、まず1玉用意しておけば安心です。
9-7. 完成サイズが合わない場合はどうすればいいですか?
完成したあとにサイズが大きく合わなかった場合は、一度糸をほどいて、編み直すのがおすすめです。
少し手間にはなりますが、毛糸はほどけば何度でも編み直せるのがうれしいところです。
できれば完成してから気づくのではなく、
「底まで編めたとき」
「側面を半分くらい編んだとき」
など、途中でこまめにイヤホンを入れてサイズを確認してみてください。
「少しきついかな?」「もう1段必要かな?」と途中で確かめながら編むだけでも、サイズ違いをぐっと防ぎやすくなります。
焦らず、実物に合わせながら少しずつ編んでいくのが、きれいに仕上げるコツですよ。
10. まとめ
ここまで、イヤホンケースを編むための基本的な知識から、具体的な編み方、サイズの調整方法、失敗したときの対処法までをご紹介してきました。
初めて挑戦する方は、まず「鎖編みで底を作り、輪編みで側面を編んでいくシンプルな巾着・ポーチ型」から始めてみるのがおすすめです。
きれいに仕上げるために大切なのは、編み図の数字どおりに作ろうとしすぎないこと。お手持ちのイヤホンに合わせて、「作り目の長さ」や「高さを出す段数」を少しずつ調整してみましょう。
編んでいる途中で何度かイヤホンを編み地に当ててみると、サイズ感も確認しやすくなります。段の始まりにはマーカーを付けておくと、どこまで編んだのか迷いにくくなりますよ。
最初から完璧に仕上げようとしなくても大丈夫です。少しずつサイズを確かめながら編んでいけば、自分のイヤホンに合ったケースに近づけていけます。
お気に入りの毛糸と針を用意して、ぜひ自分だけのイヤホンケース作りを楽しんでみてくださいね。

