有線イヤホンを使っているときに、「ザー」という雑音が聞こえて不快な思いをしたことはありませんか。
結論からお伝えすると、有線イヤホンからザーという雑音がする原因は、必ずしも「イヤホン自体の故障」とは限りません。イヤホンのプラグやケーブルの問題をはじめ、接続している再生機器(スマートフォンやPC)の内部ノイズ、電源や周辺環境からの影響、さらには音量設定や変換アダプタの不具合など、複数の原因候補に分けて考える必要があります。
まずは、問題が「イヤホン側」にあるのか、それとも「再生機器側」にあるのかを最短で切り分けることが重要です。そのためには、今使っているイヤホンを別のスマホやPCに挿してみる、あるいは同じ機器に別のイヤホンを挿してみるという確認を最初に行いましょう。
この記事では、有線イヤホンのザーという雑音に悩む方に向けて、原因を最短で切り分ける順番から、症状別の詳しい原因、そして初心者でもできる具体的な対処法までを分かりやすく解説します。原因を一つずつ潰していくことで、快適な音楽環境を取り戻すヒントが見つかるはずです。
1. 有線イヤホンの「ザー」という雑音を最初に切り分ける方法
イヤホンから急に「ザー」という雑音が聞こえてくると、「イヤホンが壊れたのかな?」と不安になりますよね。
ただ、すぐに新しいイヤホンへ買い替えたり、PCやスマートフォンの設定をあれこれ変更したりする必要はありません。
まずは、イヤホン側に原因があるのか、それとも再生機器側に原因があるのかを順番に確認していきましょう。
原因をひとつずつ切り分けていけば、意外と簡単に解決できることもあります。
ここでは、できるだけ早く原因を絞り込むための6つのステップと、症状から原因を探しやすい診断早見表をご紹介します。
1-1. 最短で原因を特定する6つのステップ
「どこから確認すればいいのかわからない」という方は、まず以下の順番で試してみてください。
難しい設定を触る前に、簡単なところから確認していくのがポイントです。
STEP1:同じ再生機器に別のイヤホンを接続してみる
まずは、現在使っているスマートフォンやPCに、別の有線イヤホンを接続してみましょう。
別のイヤホンでも同じように「ザー」という雑音が聞こえる場合は、もともと使っていたイヤホンではなく、スマートフォンやPC、再生アプリなどに原因がある可能性があります。
反対に、別のイヤホンでは雑音が聞こえない場合、最初に使っていたイヤホン側に原因があるかもしれません。
まずはこの方法で、大まかな原因を探してみましょう。
STEP2:問題のイヤホンを別のスマホ・PC・音楽プレイヤーなどにつないでみる
次は、「ザー」という雑音が出ているイヤホンを、別の機器につないでみます。
別のスマートフォンやタブレット、PC、携帯ゲーム機など、イヤホンを接続できる機器があれば試してみてください。
別の機器につないだときに雑音がきれいに消えるのであれば、イヤホンそのものは正常に使えている可能性が高いです。
一方、どの機器につないでも同じように「ザー」と鳴る場合は、イヤホンのプラグやケーブル、内部の断線などが原因になっている可能性があります。
STEP1とSTEP2まで確認すると、「イヤホン側」なのか「再生機器側」なのかをかなり絞り込みやすくなります。
STEP3:プラグ・端子・ケーブルの状態を確認する
次に、イヤホンのプラグやケーブルをチェックしてみましょう。
イヤホンのプラグ部分や、スマートフォン・PC側のイヤホンジャックに、ホコリや汚れが付いていないか確認します。
また、プラグが奥までしっかり挿さっているかも大切なポイントです。
少し浮いた状態になっているだけでも、接触が不安定になり、雑音が出ることがあります。
あわせて、ケーブルが不自然に折れ曲がっていないか、傷んでいる部分がないかも目で確認してみてください。
STEP4:充電器や不要な周辺機器を外してみる
スマートフォンを充電しながらイヤホンを使っている場合は、一度充電器を外してみましょう。
PCの場合も、USB機器などをたくさん接続しているなら、必要のないものをいったん取り外してみてください。
充電器や周辺機器から発生する電気的なノイズをイヤホンが拾い、「ザー」という音として聞こえている場合があります。
充電器を外した瞬間に雑音が消えるようなら、イヤホンそのものではなく、電源まわりが原因になっている可能性があります。
STEP5:音量・音質・ドライバなどの設定を確認する
ここまで確認しても原因がわからない場合は、スマートフォンやPCの設定も見ていきましょう。
まず確認したいのが音量です。
たとえば、PCやスマートフォン本体の音量をかなり小さくして、動画・音楽アプリ側だけを大音量にしていると、環境によってはノイズが目立ちやすくなることがあります。
イコライザーなどの音質調整機能を使っている場合は、一度オフにして変化があるか試してみるのもよいでしょう。
PCの場合は、オーディオドライバの状態もあわせて確認してみてください。
設定変更後から雑音が出るようになった場合は、設定やドライバが影響している可能性も考えられます。
STEP6:変換アダプタやDACも確認する
最近のスマートフォンには、イヤホンジャックが搭載されていない機種も増えています。
そのため、USB Type-CやLightning端子からイヤホン端子へ変換するアダプタを使っている方もいるでしょう。
この場合、イヤホンやスマートフォンではなく、間に接続している変換アダプタ側が雑音の原因になっていることもあります。
別の変換アダプタを持っている場合は、交換して音が変わるか確認してみてください。
DACなどを使っている場合も同じです。
イヤホンだけを見るのではなく、音が通る途中にある機器をひとつずつ外したり交換したりすると、原因を見つけやすくなります。
1-2. 症状から原因を絞り込む症状別診断早見表
「自分の症状だと、どこから確認すればいいの?」という方は、以下の表から近い症状を探してみてください。
最初に確認するポイントがわかるだけでも、原因をかなり絞り込みやすくなります。
| 症状 | 考えられる主な原因 | 最初に試すこと |
|---|---|---|
| 再生中だけザー音がする | ホワイトノイズ(機器がもともと持つ小さなノイズ)、イヤホンの感度が高い | 別の機器につなぐ、インピーダンスの高いイヤホンを試す |
| 再生を停止すると少しして消える | アンプの電源オン・オフの仕様、ホワイトノイズ | 機器の仕様である可能性もあるため、必要に応じてDACの導入を検討する |
| 常にザー音がする | プラグの接触不良、機器側のノイズ、断線 | プラグを清掃して挿し直し、別の機器でも確認する |
| 音量を上げると雑音も大きくなる | 音源そのもののノイズ、再生アプリの影響 | 別の楽曲や動画を再生して確認する |
| 音量を変えてもザー音が変わらない | 機器内部のホワイトノイズ | 別のイヤホンや再生機器を組み合わせて試す |
| プラグを動かすと雑音が変化する | プラグの汚れ、端子の接触不良、ジャックの劣化 | 乾いた布でプラグを拭き、奥までしっかり挿し直す |
| ケーブルを触るとザザッと鳴る | ケーブル内部の断線、コネクタ付近の接触不良 | ケーブルを少しずつ動かし、音が途切れる場所がないか確認する |
| 歩いたときだけ雑音がする | タッチノイズ(ケーブルが服などに擦れる音) | ケーブルを耳の後ろに回す「シュア掛け」やクリップを試す |
| PCでのみ雑音がする | PC内部の電気的なノイズ、マザーボードなどの影響 | 前面端子ではなく、背面端子につないでみる |
| スマホでのみ雑音がする | 変換アダプタの不具合、スマートフォン側のオーディオ回路の影響 | 変換アダプタを交換する、イヤホンジャックを清掃する |
| 充電中だけ雑音がする | 充電器や電源から発生する電気的なノイズ(グラウンドループなど) | 充電器を外し、バッテリー駆動の状態で確認する |
| 特定のイヤホンだけで発生する | そのイヤホンの故障、または感度が高い | 別の機器でも確認し、必要に応じて修理や買い替えを検討する |
| 複数のイヤホンで同じ機器に雑音が出る | PC・スマートフォン側の不具合、設定の影響 | 機器を再起動し、オーディオ設定を確認する |
ザーという雑音には、イヤホンの故障だけでなく、接触不良や充電器、変換アダプタ、再生機器との組み合わせなど、さまざまな原因が考えられます。
だからこそ、最初からひとつの原因に決めつけず、簡単なところから順番に確認していくことが大切です。
まずはSTEP1とSTEP2から試して、イヤホン側なのか、再生機器側なのかを切り分けてみてください。
2. 有線イヤホンからザーという雑音がする主な原因
ここからは、有線イヤホンから「ザー」という雑音が聞こえるときに考えられる原因を、一つずつ詳しく見ていきます。
イヤホンそのものが故障している場合もあれば、接続部分の汚れやスマートフォン・PC側の環境が関係していることもあります。
「自分の場合はどれだろう?」と、ご自身の症状と照らし合わせながら確認してみてくださいね。
2-1. イヤホン本体やケーブルの故障・劣化
どのような原因か
有線イヤホンは、毎日のように持ち歩いたり、丸めてカバンへ入れたりすることも多いですよね。
そのぶん、少しずつケーブルへ負担がかかり、内部の配線が切れかかった「半断線」という状態になることがあります。
また、イヤホンの中にある小さなスピーカー部分「ドライバー」が劣化したり、破損したりして、雑音が発生するケースもあります。
なぜザー音につながるのか
ケーブル内部の銅線が切れかかっていると、音を届けるための電気信号が安定して流れません。
内部で接触したり離れたりを繰り返すことで、「ザザッ」「ザー」といった雑音が聞こえることがあります。
この原因を疑いやすい症状
ケーブルの一部分を触ったときだけ雑音が変化するなら、断線している可能性があります。
特に確認したいのは、
- プラグの根元
- イヤホン本体とケーブルの付け根
といった、曲がりやすく負担がかかりやすい部分です。
軽く曲げたり、少しねじったりしたときに「ザー」という音が大きくなったり、反対に音が途切れたりする場合は、ケーブルの劣化を疑ってみましょう。
読者自身で確認する方法
音楽を流した状態で、ケーブルを数センチずつ場所を変えながら、やさしく曲げてみてください。
ある場所を触ったときだけ雑音が聞こえたり、片耳の音が途切れたりするのであれば、ケーブル内部で断線している可能性が高くなります。
ただし、強く折り曲げると状態を悪化させることがあるため、軽く動かす程度にしておきましょう。
具体的な対処方法
ケーブル内部で断線している場合、ご自身で修理するのはなかなか難しいです。
ケーブルを取り外せる「リケーブル対応イヤホン」であれば、ケーブルだけを新しいものへ交換することで改善できる場合があります。
一方、ケーブルとイヤホンが一体になっているタイプでは、イヤホン本体の買い替えやメーカー修理を検討してみてください。
改善しなかった場合に次に試すこと
ケーブルのどこを触っても雑音にまったく変化がない場合は、断線以外の原因かもしれません。
次は、プラグや接続端子の状態を確認してみましょう。
2-2. プラグ・接続端子の接触不良や汚れ・酸化
どのような原因か
イヤホンの先端にある金属製のプラグや、スマートフォン・PC側のイヤホンジャックが汚れていると、雑音につながることがあります。
皮脂やホコリが付着しているだけでなく、金属表面が酸化して薄い膜ができているケースもあります。
なぜザー音につながるのか
有線イヤホンは、金属同士がきちんと触れることで音の信号を伝えています。
ところが、その間に皮脂やホコリ、小さなゴミなどが入り込むと、電気信号が安定して伝わりにくくなります。
その結果、「ザー」「ガサガサ」といった雑音として聞こえてしまうことがあります。
この原因を疑いやすい症状
イヤホンを挿したままプラグを軽く回したり、少し角度を変えたりしたときに雑音が増える場合は、接触不良が関係しているかもしれません。
また、イヤホンを挿している間ずっと「ザーザー」と鳴っている場合も、接続部分を一度確認してみるとよいでしょう。
読者自身で確認する方法
まずはイヤホンのプラグを目で見て、汚れやくすみがないか確認してみてください。
スマートフォンやPC側のイヤホンジャックも、ライトなどで照らしながら、中にホコリがたまっていないか確認してみましょう。
具体的な対処方法
イヤホンのプラグは、乾いた柔らかい布でやさしく拭き取ります。
メガネ拭きやマイクロファイバークロスなどが使いやすいでしょう。
汚れが落ちにくい場合は、無水エタノールを布へ少量だけ含ませて拭く方法もあります。
一方、機器側のイヤホンジャックは内部の端子を傷つけないことが大切です。
エアダスターなどを使って、ホコリを吹き飛ばす方法が比較的安全です。
つまようじなどを奥まで差し込み、強くこすると内部を傷つけてしまうことがあるため注意してください。
また、接点復活剤は素材によってはプラスチック部分を傷める可能性があります。メーカーから使用が推奨されていない場合は、無理に使わないほうが安心です。
改善しなかった場合に次に試すこと
プラグやジャックをきれいにして、奥までしっかり挿しても雑音が続く場合は、再生機器側に原因がある可能性もあります。
その前に、動いたときだけ雑音がする場合は「タッチノイズ」も確認してみましょう。
2-3. ケーブルが服などに擦れるタッチノイズ
どのような原因か
歩きながら音楽を聴いているときだけ、「ゴソゴソ」「ザーザー」と音がすることはありませんか?
その場合は、イヤホンの故障ではなく「タッチノイズ」が原因かもしれません。
タッチノイズとは、イヤホンのケーブルが服やカバン、体などに擦れたときに発生する物理的な音のことです。
なぜザー音につながるのか
ケーブルへ伝わった振動が、そのままイヤホン本体まで伝わり、耳の中で大きく聞こえてしまいます。
そのため、実際には電気的なノイズではなくても、「ザーザー」「ガサガサ」といった不快な雑音のように感じることがあります。
この原因を疑いやすい症状
座ってじっとしているときは問題ないのに、
- 歩いたとき
- 首を動かしたとき
- ケーブルが服に触れたとき
だけ雑音がするなら、タッチノイズの可能性があります。
読者自身で確認する方法
イヤホンを耳へ装着し、音楽を止めた状態でケーブルの途中を指で軽く弾いてみてください。
その振動が耳の中で「ドン」「ガサッ」と大きく響く場合は、タッチノイズが起きていると考えられます。
具体的な対処方法
タッチノイズを減らす方法としてよく使われるのが、「シュア掛け」と呼ばれる耳掛けスタイルです。
ケーブルをそのまま下へ垂らすのではなく、一度耳の後ろへ回してから下へ垂らします。
こうすると、ケーブルの振動が直接イヤホンへ伝わりにくくなり、雑音を抑えやすくなります。
また、「ケーブルクリップ」を使って服へ固定するのもおすすめです。
ケーブルが大きく揺れるのを防げるため、歩いているときのゴソゴソ音も軽減しやすくなります。
改善しなかった場合に次に試すこと
じっとしている状態でも「ザー」という音が聞こえるのであれば、タッチノイズではない可能性が高いです。
次は、PCやスマートフォンなど再生機器側を確認してみましょう。
2-4. 再生機器側(PC・スマホ)内部のノイズ
どのような原因か
イヤホンに問題がなくても、PCやスマートフォン本体から雑音が発生することがあります。
PCやスマートフォンの中には、CPUやメモリ、通信モジュールなど、さまざまな電子部品が詰まっています。
それらが動作するときに発生するわずかな電気的な揺らぎや電磁波が、音声回路へ影響してしまうことがあります。
なぜザー音につながるのか
イヤホンジャックへ音声を送るための回路が、ほかの電子部品から出る電磁波の影響を受けると、「ジー」「ザー」といった雑音が混ざることがあります。
このような現象は「電磁ノイズ」や「内部干渉」と呼ばれます。
特に、イヤホンを直接PCへ挿している場合などに気になることがあります。
この原因を疑いやすい症状
次のような動作に合わせて雑音が変化する場合は、機器内部のノイズが関係しているかもしれません。
- マウスを動かしたとき
- 画面をスクロールしたとき
- ファイルをコピーしているとき
- Wi-Fiやモバイル通信を使っているとき
- PCで重い処理をしているとき
「操作するとジーッと鳴る」という場合は、一度疑ってみてください。
読者自身で確認する方法
スマートフォンの場合は、一度機内モードへ切り替えて雑音が変化するか確認してみましょう。
PCでは、動画再生やゲームなど負荷の大きな処理を行ったときに、雑音が大きくなるか確認してみてください。
具体的な対処方法
機器内部の設計が原因の場合、ご自身で本体を開けて改善するのは現実的ではありません。
そのようなときは、外付けのオーディオインターフェースやUSB DACを使う方法があります。
音声処理をPCやスマートフォンの内部ではなく、外部の機器で行うことで、内部ノイズの影響を受けにくくなる場合があります。
改善しなかった場合に次に試すこと
USB DACなどを使っても雑音が残る場合は、電源や充電器、周辺機器からノイズが入り込んでいる可能性があります。
2-5. 電源・充電器・周辺機器による外部ノイズ
どのような原因か
「充電しながら使うときだけザーッと鳴る」という場合は、電源まわりを確認してみましょう。
スマートフォンを充電しながら使っていたり、PCをコンセントにつないでいたりすると、電源から入り込んだノイズがイヤホンへ影響することがあります。
また、使用している充電器やACアダプターが原因になるケースもあります。
なぜザー音につながるのか
コンセントから流れてくる交流電源は、ACアダプターなどで直流へ変換されてから機器へ送られます。
その変換が十分にきれいに行われないと、「リップルノイズ」と呼ばれる電気的な揺らぎが残ることがあります。
それが音声回路まで入り込み、「ザー」「ブーン」といった音として聞こえる場合があります。
また、複数の機器を接続したことで「グラウンドループ」と呼ばれる現象が起き、雑音につながるケースもあります。
この原因を疑いやすい症状
特に分かりやすいのは、
- 充電中だけ雑音がする
- ACアダプターにつなぐと雑音が増える
- USB機器をたくさん接続しているときに雑音がする
といったケースです。
読者自身で確認する方法
スマートフォンやノートPCの場合は、一度充電器を抜いて、バッテリーだけで動かしてみてください。
それだけで雑音が消えるのであれば、電源環境が関係している可能性があります。
デスクトップPCの場合は、外付けHDDなど不要なUSB機器を一度すべて外して、変化があるか確認してみましょう。
具体的な対処方法
バッテリー駆動にしたときに雑音が消えるなら、まずは充電しながらイヤホンを使わない方法が手軽です。
充電器やケーブルを交換する場合は、メーカー純正品など、信頼できる製品を選ぶと安心です。
PCでは、電源タップや周辺機器の接続方法を見直すことで改善することもあります。
改善しなかった場合に次に試すこと
充電器や周辺機器を外しても変化がない場合は、音量設定やオーディオ設定も確認してみましょう。
2-6. 音量や音声設定によるシステム上の影響
どのような原因か
イヤホンやケーブルに問題がなくても、PCやスマートフォンの音量設定によって、雑音が目立ってしまうことがあります。
特に確認したいのが、
- OS側の音量
- 音楽・動画アプリ側の音量
- 外付けアンプの音量
- イコライザーなどの音質補正
といった設定です。
なぜザー音につながるのか
音声には、もともとごく小さなノイズが含まれていることがあります。
音量のバランスが極端になっていると、その小さなノイズまで一緒に大きくしてしまい、「ザー」という音が目立つ場合があります。
たとえば、PC本体の音量を極端に小さくしたまま、外付けアンプなどで大きく増幅しているケースです。
この原因を疑いやすい症状
音楽そのものは小さいのに雑音だけが気になる場合や、特定のアプリを使っているときだけ雑音が目立つ場合は、設定を確認してみる価値があります。
また、Bass Boostや立体音響などの音質補正をオンにしたあとから雑音が気になり始めた場合も要チェックです。
読者自身で確認する方法
まずは、PCやスマートフォン本体の音量と、再生アプリ側の音量をそれぞれ確認してみましょう。
あわせて、イコライザーやBass Boost、立体音響などのオーディオ拡張機能が有効になっていないかも確認してみてください。
具体的な対処方法
音量設定が極端になっている場合は、全体のバランスを見直してみましょう。
また、原因を切り分けるため、一度イコライザーや立体音響などの追加設定をすべてオフにして、通常の状態で雑音が聞こえるか確認するのがおすすめです。
その状態で雑音が消えるのであれば、音質補正機能が影響していた可能性があります。
改善しなかった場合に次に試すこと
設定を変更しても直らない場合は、変換アダプタやDACが原因になっていないか確認してみましょう。
2-7. 変換アダプタやDAC(デジタル・アナログ変換器)に関係する問題
どのような原因か
イヤホンジャックがないスマートフォンでは、USB Type-CやLightning端子から3.5mmイヤホン端子へ変換するアダプタを使うことがありますよね。
この変換アダプタ自体が、雑音の原因になっているケースもあります。
なぜザー音につながるのか
多くの変換アダプタには、「DAC」という小さな部品が入っています。
DACは、スマートフォンから出るデジタル信号を、イヤホンで再生できるアナログ音声へ変換する役割を持っています。
この変換処理の品質やノイズ対策が十分でないと、音声と一緒に「ザー」という雑音が聞こえることがあります。
また、アダプタの差し込み部分で接触不良が起きている可能性もあります。
この原因を疑いやすい症状
変換アダプタを使ってスマートフォンへ接続したときだけ雑音がするのに、イヤホンを別のPCやゲーム機へ直接つなぐと問題なく聞こえる。
そんな場合は、変換アダプタを疑ってみるとよいでしょう。
読者自身で確認する方法
可能であれば、別の変換アダプタへ交換して音を確認してみてください。
また、
- スマートフォン側の端子
- イヤホンを差し込む側の端子
を一度抜き差しして、雑音に変化があるか確認してみましょう。
具体的な対処方法
使用しているアダプタを交換する場合は、スマートフォンメーカーの純正品や、オーディオメーカーが販売している製品を選ぶ方法があります。
「ドングル型DAC」と呼ばれる製品もあり、変換アダプタを替えるだけで雑音が軽減されるケースもあります。
改善しなかった場合に次に試すこと
信頼できるアダプタへ交換しても「サー」「ザー」という音が残る場合は、イヤホンの感度と再生機器の組み合わせが関係しているかもしれません。
2-8. イヤホンの感度と再生機器の組み合わせ(ホワイトノイズ)
どのような原因か
イヤホンも再生機器も故障していないのに、無音時に「サー」「ザー」と聞こえることがあります。
この場合は、「ホワイトノイズ」と呼ばれる雑音かもしれません。
イヤホンとスマートフォン・PCなどの組み合わせによって、もともとはとても小さかった機器側のノイズが聞こえてしまうことがあります。
なぜザー音につながるのか
イヤホンには、「感度(dB/mW)」や「インピーダンス(Ω)」といったスペックがあります。
簡単にいうと、感度が高いイヤホンは、小さな電力でも音をしっかり鳴らせる一方、ごく小さな信号にも反応しやすい傾向があります。
そのため、スマートフォンやPCがもともと持っているわずかな「残留ノイズ」まで拾い、「ザー」という音として聞こえることがあります。
この機器側に残っている小さなノイズは「ノイズフロア」と呼ばれることもあります。
この原因を疑いやすい症状
新しいイヤホンへ交換してから、
「音楽を止めているのに、ずっとサーッと鳴っている」
という場合は、この原因を疑ってみましょう。
特に、あるイヤホンでは雑音がするのに、別のイヤホンへ替えると気にならなくなる場合は、イヤホンと再生機器の組み合わせが関係している可能性があります。
読者自身で確認する方法
手元に別のイヤホンがあれば、同じスマートフォンやPCへ接続して聞き比べてみてください。
別のイヤホンでは雑音が聞こえず、特定のイヤホンだけで「ザー」と聞こえるのであれば、イヤホンの感度と機器側のノイズの組み合わせが原因になっている可能性があります。
具体的な対処方法
イヤホンが機器側の小さなノイズまで拾ってしまっている場合は、「アッテネーター」や「インピーダンスアダプター」と呼ばれる機器を間に入れることで、雑音を抑えられることがあります。
また、ノイズの少ない外付けUSB DACアンプや専用のオーディオプレイヤーを使い、イヤホンへ送る音声そのものを整える方法もあります。
イヤホンや再生機器の故障とは限らないため、すぐに買い替えるのではなく、まずは別の機器やイヤホンとの組み合わせを試して原因を切り分けてみてくださいね。
3. 「再生中だけザー音がして、停止すると消える」場合に考えること
有線イヤホンを使っていて、「音楽や動画を再生しているときだけ『ザー』という音が聞こえる。でも、一時停止して数秒たつとスッと消える」という経験はありませんか?
こんな症状が出ると、「イヤホンが故障したのかな?」と心配になりますよね。
ただ、この症状だけであれば、イヤホンそのものが故障しているとは限りません。スマートフォンやPC、変換アダプタなど、再生機器側のオーディオ回路が関係していることがあります。
ここでは、なぜ再生中だけノイズが聞こえるのか、その仕組みを順番に見ていきましょう。
3-1. 音楽再生時のみノイズが発生するメカニズム
スマートフォンやPCには、バッテリーの消費を抑えるための省電力機能が備わっています。
音楽や動画を再生していないときは、イヤホンへ音を送るためのアンプ回路を休ませる仕組みになっていることがあります。
いわば、音を出していない間はアンプがお休みしている状態です。
そのため、この状態では「ザー」「サー」といったノイズも聞こえにくくなります。
ところが、再生ボタンを押すと状況が変わります。
音をイヤホンへ届けるためにアンプ回路が動き始め、その際にごく小さな動作ノイズが生じることがあります。これが「ノイズフロア」と呼ばれる残留ノイズです。
音楽を一時停止すると、しばらくしてアンプ回路も再び休止状態に入ります。
そのタイミングで、小さく「プツッ」と聞こえたり、それまで続いていた「ザー」という音がスッと消えたりすることがあります。
つまり、
「再生するとザー音が出る」
↓
「一時停止する」
↓
「数秒後にザー音が消える」
という動きがある場合は、再生機器側のアンプ回路のオン・オフが関係している可能性があります。
3-2. イヤホンの感度(インピーダンス)との関係
「でも、前に使っていたイヤホンでは、こんな音は聞こえなかったけど……」
そう感じる方もいるかもしれません。
ここで関係してくるのが、イヤホンの「感度」や「インピーダンス」です。
アンプ回路が動いているときに発生するノイズは、とても小さなものです。
そのため、イヤホンによってはほとんど気にならず、人の耳ではわからないこともあります。
一方で、小さな音まで拾いやすい高感度のイヤホンでは、そのわずかなノイズまで聞こえてしまうことがあります。
特に、高感度かつ低インピーダンスのイヤホンでは、「ザー」「サー」といった音が目立ちやすくなる場合があります。
たとえるなら、集音性能の高いマイクのようなものです。
普通なら気にならないほど小さな音でも、感度が高ければ拾いやすくなります。
そのため、「再生中だけザー音がする」という症状は、
「再生機器のアンプが動いたときに発生する小さなノイズ」
と、
「そのノイズまで拾いやすいイヤホン」
が組み合わさることで起きている可能性があります。
新しいイヤホンに替えてから突然気になり始めた場合も、必ずしもイヤホンが壊れているとは限らないのです。
3-3. イヤホン側と再生機器側の判別方法
原因をもう少し詳しく知りたい場合は、いくつか簡単な方法で確認できます。
1. 再生したまま音量をゼロにしてみる
まずは音楽や動画を再生した状態で、音量を一番下まで下げてみましょう。
音量をゼロにしても「ザー」という音がほぼ同じ大きさで聞こえる場合は、アンプ回路が動いているときに発生するノイズフロアが関係している可能性があります。
一方、音源そのものに含まれているノイズであれば、通常は音量を下げるにつれてノイズも小さくなります。
「音量を変えてもザー音の大きさが変わらないか」
ここを確認してみると、原因を切り分けるヒントになります。
2. 抵抗入りのケーブル(アッテネーター)を試してみる
用意できる場合は、インピーダンスを上げるアダプタやアッテネーターを間に挟んで確認する方法もあります。
これによってノイズが小さくなる場合は、イヤホンの感度やインピーダンスと再生機器の組み合わせが影響している可能性が高くなります。
ただし、機器との相性によって結果は変わるため、これだけで原因を完全に断定するのではなく、切り分け方法のひとつとして考えてみてください。
それでもノイズが気になる場合は、USB DAC(デジタル・アナログ変換器)を利用する方法もあります。
スマートフォンやPCのイヤホン端子から直接音を出すのではなく、USB DACを経由してイヤホンへ音を送ることで、再生環境を変えられます。
ノイズ対策がしっかり行われている製品であれば、「ザー」「サー」といった音が気になりにくくなることもあります。
まずは別のイヤホンや再生機器でも同じ症状が出るか確認し、それでも気になる場合にUSB DACなどを検討してみるとよいでしょう。
4. PC(パソコン)で有線イヤホンからザー音がする場合の対処法
PCに有線イヤホンを接続していると、「ザー」というノイズが気になることがあります。
PCの内部には、ノイズの影響につながる部品が多く搭載されています。そのため、イヤホン自体に問題がなくても、PC側の環境によってノイズが発生することがあります。
そんなときは、まず接続する場所や周辺機器など、身近なところから確認してみましょう。ここでは、PCを使っているときに試したい対処法を順番にご紹介します。
4-1. 接続する端子(前面・背面)を変更して確認する
デスクトップPCを使っている場合は、まずイヤホンをどこに接続しているか確認してみましょう。
PCケースの「前面(フロントパネル)」にあるイヤホンジャックを使っている場合、PC内部のノイズの影響を受けている可能性があります。
前面のイヤホン端子につながるケーブルは、PCケースの内部を通っています。そのため、マザーボードやグラフィックボード、電源ユニットなどから発生する電磁ノイズの影響を受けやすくなることがあります。
そこで一度試してみたいのが、PCの「背面」にあるイヤホンジャックへの差し替えです。
マザーボードに直接ついている黄緑色のイヤホンジャック(ライン出力)があれば、そちらに接続して音を確認してみましょう。
前面の端子とは接続経路が異なるため、差し替えるだけで「ザー」というノイズが改善することがあります。
4-2. 電源ケーブルやUSB機器、周辺機器の影響を確認する
イヤホンの接続場所を変えても改善しない場合は、PCにつながっている周辺機器も確認してみましょう。
PCには、外付けハードディスクやUSBメモリ、プリンター、USB扇風機など、さまざまな機器を接続できます。
こうした機器のなかには、モーターが動くものや多くの電力を使うものもあります。その影響で、電源由来のノイズがイヤホン端子に回り込むことがあります。
原因を探すときは、マウスとキーボード以外のUSB機器をいったん外し、ノイズに変化があるか確認してみましょう。
ノートPCを使っている場合は、ACアダプター(電源ケーブル)も確認してみてください。
ACアダプターを抜き、バッテリーだけで動かしたときにノイズが消えるかをチェックします。
USB機器やACアダプターを外したことでノイズが消えた場合は、外した機器のいずれか、または電源環境が影響している可能性があります。
4-3. PCの音声設定やオーディオドライバを確認・更新する
周辺機器を確認しても「ザー」という音が続く場合は、PCの音声設定も見てみましょう。
WindowsやMacでは、オーディオに関する設定によってノイズが発生する場合があります。
Windowsの場合は、次の手順で確認できます。
- 画面右下のスピーカーアイコンを右クリックし、「サウンドの設定」を開きます。
- 出力デバイスの「デバイスのプロパティ」から「追加のデバイスのプロパティ」を開きます。
- 「詳細」タブを開き、既定の形式(サンプリングレート)を確認します。「24ビット、48000 Hz(スタジオの音質)」などに変更し、ノイズに変化があるか試してみましょう。
- 「立体音響」や「拡張」タブにオーディオ補正機能がある場合は、いったんオフ(無効)にして確認します。
サンプリングレートが「192000 Hz」などの高い設定になっている場合は、設定を変更することで改善する可能性があります。
また、オーディオドライバ(Realtekなど)の状態も確認しておきたいポイントです。
ドライバが古かったり、正常に動作していなかったりすると、音声に問題が起こる場合があります。必要に応じて、デバイスマネージャーからオーディオドライバの「更新」や「再インストール」を試してみましょう。
4-4. 外付けUSB DAC(ヘッドホンアンプ)の導入を検討する
ここまで試してもノイズが改善しない場合は、PC内部からの影響を受けている可能性があります。
その場合は、「USB DAC(ダック)」と呼ばれる外付け機器を使う方法もあります。
USB DACは、PCから受け取ったデジタル信号を、イヤホンで再生できるアナログ音声へ変換する機器です。
使い方はシンプルで、USB DACをPCのUSB端子に接続し、有線イヤホンをUSB DAC側につなぎます。
PC本体のイヤホン端子を直接使わず、PCの外で音声を変換する仕組みになるため、PC内部のノイズの影響を避けやすくなります。
「端子を変えてもダメだった」「設定を見直してもザー音が残っている」という場合は、選択肢のひとつとして検討してみるとよいでしょう。
USB DACには数千円程度から購入できるものもあります。PCへ直接イヤホンを接続した場合と比べて、ノイズが抑えられたり、音質の変化を感じられたりすることもあります。
5. スマホで有線イヤホンからザー音がする場合の対処法
スマートフォンで有線イヤホンを使っていると、「ザー」というノイズが気になることがあります。
このようなノイズは、変換アダプタの接触不良や、スマホの端子にたまったホコリなど、ちょっとしたことが原因になっている場合もあります。
「イヤホンが壊れたのかな?」とすぐに判断するのではなく、まずは原因を一つずつ確認してみましょう。
5-1. 別のイヤホンや別の機器に接続して原因を切り分ける
最初に試したいのが、記事前半でもご紹介した「切り分け」です。
まずは、スマホとイヤホンのどちらに原因があるのか確認してみましょう。
たとえば、別のイヤホンを同じスマホにつないでもノイズが出る場合は、スマホ側に原因がある可能性があります。
反対に、今使っているイヤホンをゲーム機など別の機器につないでも同じようにノイズが出る場合は、イヤホン側に原因がある可能性が高いでしょう。
このように一つずつ試していくと、どこを確認すればよいのか分かりやすくなります。
5-2. スマホのイヤホン端子や変換アダプタを清掃・確認する
イヤホンジャックを搭載したスマートフォンでは、ポケットやカバンに入れているうちに、ジャックの中へホコリや糸くずが入り込むことがあります。
汚れが気になるときは、エアダスターなどを使って軽く吹き飛ばしてみましょう。
また、iPhoneのLightningやAndroidのUSB Type-Cからイヤホン端子へ変換するアダプタを使っている場合は、コネクタ部分の接触不良によって「ザー」というノイズが発生することもあります。
コネクタの金属部分に汚れが付いていないか確認し、気になる場合は柔らかい布でやさしく拭いてみてください。そのうえで、アダプタが奥まできちんと挿し込まれているか確認しましょう。
意外と見落としやすいのが、スマートフォンのケースです。
ケースが干渉していると、アダプタやイヤホンプラグが最後まで挿し込めないことがあります。一度ケースを外した状態で接続し、ノイズに変化があるか試してみるのもおすすめです。
5-3. 充電ケーブルを抜いた状態でノイズが消えるか確認する
スマートフォンを充電しながら有線イヤホンを使っている場合は、充電環境から発生する電気的なノイズが音に影響している可能性もあります。
まずは充電ケーブルをスマホから抜き、バッテリーだけで動作している状態でイヤホンを使ってみましょう。
充電ケーブルを抜いた途端に「ザー」という音が消えるのであれば、充電器やケーブルなどがノイズに関係している可能性があります。
その場合は、音楽を聴いている間だけ充電を控えてみたり、別の充電器やケーブルに交換して変化を確認したりすると、原因をさらに絞り込みやすくなります。
充電器を交換する場合は、スマートフォンメーカーの純正品など、信頼できる製品を選ぶとよいでしょう。
5-4. スマホの音量設定やイコライザー機能を確認する
端子や充電環境に問題が見つからないときは、スマートフォンの音に関する設定も確認してみましょう。
設定画面から「サウンドとバイブレーション」などの項目を開き、音響効果やイコライザーの設定をチェックします。
Dolby Atmosなどの音響効果やイコライザーが有効になっている場合は、原因を切り分けるために一度オフにして、ノイズが変化するか確認してみてください。
また、変換アダプタを使っている場合は、アダプタに内蔵されているDAC(デジタル音声をイヤホンで再生できる信号へ変換する部分)がノイズに関係していることもあります。
「端子を掃除しても改善しない」「設定を変えてもザー音が残る」というときは、変換アダプタを別の製品に替えて試してみるのも一つの方法です。
買い替える際は、Apple純正やGoogle純正など、スマートフォンとの相性を確認しやすい製品を選んでみるとよいでしょう。
6. それでもザー音が消えないときはどうする?
ここまで紹介した原因の切り分けや対処法を試しても「ザー」という雑音が消えない場合は、イヤホンや接続している機器そのものに問題がないか確認してみましょう。
どこに原因があるかによって、買い替えたほうがよいケースもあれば、変換アダプタの交換だけで改善するケースもあります。
6-1. イヤホンの寿命と判断し、買い替えを検討するケース
・別のスマートフォンやPCなど、どの機器に接続しても同じザー音が鳴る
・ケーブルを曲げたり、プラグに触れたりするとノイズが大きく変化する
・プラグを清掃しても改善しない
このような症状が見られる場合は、イヤホン内部のスピーカーユニットに不具合が起きていたり、ケーブル内部で断線していたりする可能性があります。
特に、数年間使い続けているイヤホンであれば、そろそろ買い替えを考えてもよいタイミングかもしれません。
ただし、ケーブルを取り外せるタイプのイヤホン(MMCXや2pin端子など)なら、イヤホン本体を買い替えなくても、交換用ケーブルへの取り替え(リケーブル)で改善する可能性があります。
「本体はまだ使えそう」という場合は、まずケーブルだけ交換できないか確認してみるのもおすすめです。
6-2. 再生機器や変換アダプタ側の故障を疑うケース
・問題が起きているイヤホンを別の機器につなぐと、ノイズがなくきれいに聞こえる
・現在使っているスマホやPCに別のイヤホンを挿しても、同じようにザー音が鳴る
この場合は、イヤホンではなく、スマートフォンやPC、変換アダプタなど再生機器側に原因がある可能性が高くなります。
たとえば、スマートフォンのイヤホンジャックやPC内部のオーディオ関連部分、使用している変換アダプタなどに不具合が起きているケースです。
変換アダプタを使っている場合は、まず新しいものに交換して様子を見てみましょう。比較的試しやすく、原因の切り分けもしやすい方法です。
それでもザー音が消えない場合は、スマートフォンやPC本体に問題がないか確認し、必要に応じて修理を検討してみてください。
6-3. 無理に直さず修理やメーカーサポートへ相談すべきケース
スマートフォンやPC本体のオーディオ回路に問題があると考えられる場合、ご自身で分解して修理するのは難しく、かえって症状を悪化させてしまうこともあります。
無理に直そうとせず、メーカーの公式サポートや修理専門店へ相談するのがおすすめです。
また、イヤホンから突然、耳が痛くなるほど大きなノイズが出た場合や、イヤホン本体が異常に熱くなっている場合は注意が必要です。
このような異常を感じたときは、すぐに使用を中止し、接続している機器からイヤホンを取り外してください。
ショートや漏電などのトラブルにつながる可能性があるほか、大きな音によって耳を傷めてしまうおそれもあります。
接着剤や薬剤を使うなど、自己流で無理に修理しようとするのは避けましょう。原因がわからないときは、メーカーのサポートへ問い合わせて確認すると安心です。
7. 有線イヤホンのザーという雑音に関するよくある質問
有線イヤホンから「ザー」という雑音が聞こえると、「故障したのかな?」と心配になりますよね。
ここでは、有線イヤホンの雑音についてよくある疑問を、できるだけ分かりやすくまとめました。
有線イヤホンのザー音は故障ですか?
ザー音が聞こえても、必ずしもイヤホンが故障しているとは限りません。
もちろん、ケーブルの断線などが原因になっている場合もあります。ただ、プラグの汚れによる接触不良や、PC・スマホ側の設定、充電器からのノイズ、イヤホンと接続機器との相性など、ほかの原因で雑音が出ることもあります。
まずは別のスマホやPCにつないで、同じザー音が聞こえるか確認してみてください。
別の機器でも同じ症状が出るのかを確かめると、イヤホン側と機器側のどちらに原因がありそうなのか判断しやすくなります。
新品の有線イヤホンでもザー音がするのはなぜですか?
新品のイヤホンなのにザー音がすると、不良品ではないかと不安になりますよね。
ただし、新品でもイヤホンの「感度」が高いことで、ザー音が聞こえる場合があります。
感度が高いイヤホンは、小さな電力でも音を大きく鳴らしやすい一方で、スマホやPCがもともと持っているわずかな「残留ノイズ(ホワイトノイズ)」まで拾ってしまうことがあります。
そのため、イヤホンそのものが故障しているのではなく、接続する機器との組み合わせによってノイズが目立っている可能性もあります。
音楽を再生しているときだけザー音がするのはなぜですか?
音楽を再生しているときだけザー音が聞こえる場合は、スマートフォンやPCのアンプ回路が関係していることがあります。
機器によっては、バッテリー消費を抑えるため、音を鳴らすときだけアンプ回路が動く仕組みになっています。
音楽を再生してアンプ回路が動き始めたときに生じる小さな動作ノイズを、イヤホンが拾っている状態です。
再生を止めたあと、数秒してザー音も消えるのであれば、この仕組みが影響している可能性があります。
PCにつなぐとザー音がするのはなぜですか?
PCの中にはCPUや電源ユニットなど、電磁ノイズを発生させる部品がたくさんあります。
とくにPCケース前面のイヤホンジャックは、内部の配線が長くなりやすいため、こうしたノイズの影響を受けることがあります。
ザー音が気になる場合は、まずPC背面にあるマザーボード直結のイヤホン端子につないでみてください。
それでも改善しない場合は、外付けのUSB DACを使うことでノイズを抑えられることがあります。
スマホにつなぐとザー音がする場合はどうすればいいですか?
スマホにつないだときにザー音がする場合は、まず変換アダプタや接続部分を確認してみましょう。
一度抜き挿しをしたり、プラグ部分をやさしく掃除したりすると改善することがあります。
また、スマホを充電しながらイヤホンを使っている場合は、いったん充電ケーブルを抜いてみてください。充電器からのノイズが影響している場合は、それだけで雑音が気にならなくなることがあります。
変換アダプタを使っている場合は、アダプタとの相性も考えられます。必要であれば、純正品など品質のよいものに交換して様子を見てみるのもよいでしょう。
イヤホンジャックを掃除すると直りますか?
プラグやイヤホンジャックの汚れによる接触不良が原因なら、掃除することでザー音が改善することがあります。
イヤホンのプラグ部分は、乾いたやわらかい布でやさしく拭いてみてください。
スマホやPCのイヤホンジャック内部にホコリがたまっている場合は、エアダスターなどで取り除く方法もあります。
ただし、ジャックの内部は繊細です。無理に細いものを差し込むなど、内部の部品を傷つけるような掃除は避けましょう。
USB DACを使えばザー音は消えますか?
PCやスマートフォン内部のノイズが原因になっている場合は、USB DACを使うことでザー音が気になりにくくなることがあります。
USB DACは、音声の処理をPCやスマホ本体とは別の機器で行うため、本体内部で発生するノイズの影響を受けにくくできます。
とくに、PCにつないだときだけザー音が気になる場合には、試してみる価値のある方法です。
ただし、雑音の原因がイヤホンの断線や接触不良にある場合は、USB DACを使っても改善しないことがあります。まずは原因を確認してから検討するとよいでしょう。
イヤホンを買い替えるべきですか?
すぐに買い替える必要があるとは限りません。
まずは別のスマホやPCにつないで、同じザー音が聞こえるか確認してみてください。
どの機器につないでもザー音が鳴り、さらにケーブルの特定の場所を曲げたときに音が途切れたり、ノイズが大きくなったりする場合は、ケーブルが断線している可能性があります。
修理が難しいイヤホンであれば、買い替えを検討してもよいでしょう。
反対に、別の機器につないだときにはきれいに聞こえるのであれば、イヤホン自体に問題があるとは限りません。その場合は、接続している機器やアダプタなどを確認してみてください。
8. まとめ
有線イヤホンから聞こえる「ザー」という雑音には、イヤホンそのものの不具合だけでなく、再生機器から発生するノイズや周辺環境の影響など、いくつかの原因が考えられます。
まず試してほしいのが、「別のイヤホンを今使っている機器に挿す」「今使っているイヤホンを別の機器に挿す」という確認方法です。2つを入れ替えて確認することで、イヤホン側と機器側のどちらに原因がありそうなのか判断しやすくなります。
原因の見当がついたら、本記事で紹介した「プラグの清掃」「PCやスマホの設定見直し」「充電環境の確認」などを、ひとつずつ試してみましょう。原因によっては、こうしたちょっとした見直しだけで雑音が改善することもあります。
それでも機器側のノイズが気になる場合は、USB DACを取り入れるなど、リスニング環境そのものを見直してみるのもひとつの方法です。
「ザー」という音が聞こえると故障なのでは?と不安になるかもしれませんが、まずは原因をひとつずつ確認してみてください。自分に合った対処法を見つけて、快適に音を楽しめる環境を取り戻していきましょう。

