イメージ
アルバムについて
アメリカはグリーンビル出身のデスメタルバンドのアルバム。
トラックリスト※赤字はお気に入りトラック
- ①Call To Destruction
- ②Negating The Abominable Coils Of Apep
- ③The Inevitable Degradation of Flesh
- ④In The Name Of Amun
- ⑤What Should Not Be Unearthed
- ⑥Evil To Cast Out Evil
- ⑦Age Of Famine
- ⑧Ushabti Reanimator
- ⑨Rape Of The Black Earth
- ⑩To Walk Forth From Flames Unscathed
お気に入りの曲
- ①Call To Destruction
- ②Negating The Abominable Coils Of Apep
- ③The Inevitable Degradation of Flesh
- ⑥Evil To Cast Out Evil
- ⑨Rape Of The Black Earth
好きなところ
徹頭徹尾ブルータルなサウンドで激しいところ
好きではないところ
どの曲もスピードが速すぎるので、どうしてものれないところでしょうか(そもそもそういう音楽ではないのでしょうけどね)
説明
いやーこれは何とコメントしていいやら・・・めちゃくちゃ過ぎますね。本当にどうかしています。
そこまでの印象を与えるほど、とにかく非情すぎて手が付けられません・・・。
制御する手段など最初から用意していないような、すべてのものをなぎ倒すような激しいサウンドです。
ここまで無茶苦茶暴虐極まりないサウンドが存在すること自体異常だと思います。
凶暴で残忍で息もつかせない完璧なデスメタルサウンドがこのアルバムに詰め込まれています。
激しいといえどもここまで凄まじいとは…
さて、このアルバムを評価するのかどうしたものかという感じですが・・・まずはこのアルバムには凄まじい音の塊が詰め込まれているデスメタル作品であるということ。
あまりに凄まじ過ぎるので、この作品をどのように表現すればよいか、少し悩んでしまいます。
この凄まじいデスメタル作品を表現するには、どんな言葉を並べても陳腐に聞こえてしまいそうです。それぐらい凄まじいです。
アルバムは相変わらず「古代エジプトの世界観」をモチーフにしています
Nileのアルバムには過去の作品を踏襲する形で二つの要素が終始貫かれています。
それは、「徹頭徹尾のブルータルなデスメタル」と「古代エジプトの世界観」です。
前者は先きほどお話しましたが、後者はNileが作品の中で長く続けてきた要素で、今作でも独特の世界観が失われることなく、相変わらず中東の独特な世界観がサウンドに盛り込まれています。
この世界観をアルバムに盛り込む思想は、私のような素人には理解するのが難しいです。
しかし、本作を聴いてみると信念に近い頑なな意思を感じます。
一聴してNileのサウンドとわかるブルータルなサウンドは変わることはないです
こうも音楽性が変わらないバンドも珍しいですね。デスメタルのアルバムの中でも、ここまで息もつかせぬほどに激しい音が詰め込まれているアルバムはなかなかありません。
本当に隙間がなくなっちゃうほどに詰め込みすぎでは!?と息が詰まるほどにぎゅうぎゅうに音が詰め込まれており、どこかで爆発するのでは?と思わせるほど密度の濃いアルバムです。
変化など微塵も感じられないほど完璧なまでにブルータルに忠実なデスメタル
デスメタルのアルバムの中でも、これほどブルータルに実直であり、真摯に向き合い取り組んでいるバンドは珍しいと思います。
デスメタルへの情熱を作品に昇華させ、常に高いレベルのものをアウトプットすることができた結果、このような超絶ブルータルなアルバムが完成したのだと思います。
あまりに激しくてノリなんてものはないのは相変わらず
一つ思うのは、このような「隙間のない」音楽をライブで再現されても、見ている側としてはのれないんですよね。直立不動でただ見ているだけです。
暴れる人は暴れるだろうけど、なんというか音楽そのものに自分が入り込もうとしてもそれができないみたいです。濁流に飲まれる感じ?
あまりに速すぎてヘドバンもできないし、のれない曲で暴れようとしてもなんだか変な感じです。
結構ライブを見に行ってもどうしても浮いてしまいそうなもどかしさを感じてしまいます。
でももうここまでくるとある意味清々しい気持ちにもなりますね。
お勧めの曲について
私のお勧めの曲は以下の通りです。
#1「Call To Destruction」
#2「Negating The Abominable Coils Of Apep」
#3「The Inevitable Degradation of Flesh」
#6「Evil To Cast Out Evil」
#9「Rape Of The Black Earth」
◆#1「Call To Destruction」
のっけからギャー!グワー!!とか吠えすぎでびっくりしますね。そしてブラストの速さが尋常じゃないレベルです。
訳が分からなく嵐のように音の塊が襲い掛かってきます。もうだれにも止めることはできないですね。
そんな感じで1曲目からもうパワー全開で手が付けられない暴虐デスメタルナンバーに圧倒されっぱなしです。
こういうブルータルなナンバーは爽快感があるし、デスメタルナンバーとしてこれほどまでにぴったりな曲はないと思います。
◆#2「Negating The Abominable Coils Of Apep」
#1「Call To Destruction」とは異なり、Decapitatedのようなミドルテンポでヘビーなサウンドが展開されます。
ギターのテクニックは非常に高いので驚いてしまうレベルですが、非常にテクニカルな演奏を楽しむことができます。
曲自体もストレートさはなく、テクニカルなナンバーとなっています。ブラストも抑え気味ですしね。
◆#3「The Inevitable Degradation of Flesh」
中東のどこか神秘的なSEから始まりどうも不穏な空気が流れています。ドラムの運動量は相当なものです。疾走パートとミドルテンポのが半部くらいの割合で構成されたナンバーです。そしてギターソロは難解な演奏を披露しています。なんだかすごいことになっていますね。
中東の雰囲気を思わるどこか神秘的な雰囲気が漂っており、不穏な空気が広がっています。
ドラムの演奏は非常にエネルギッシュで、力強さを感じます。この曲は疾走感のあるパートとミドルテンポのパートが半々ぐらいの割合で構成されています。
また、ギターソロでは難解な演奏が披露されており、なんだかすごいことになっていますね。
◆#6「Evil To Cast Out Evil」
メロディアスなギターの演奏は格好良く、Decapitatedのようなテクニカルな演奏を彷彿とさせます。
その演奏は非常に邪悪にも聴こえ、Nile独特の邪悪さを醸し出しています。
◆#9「Rape Of The Black Earth」
この曲もまたドラムの運動量が非常に多いですね。激しいサウンドが実に気持ちいいんですけど、とにかくやかましく叩き込まれるそのドラミングが素晴らしいです。
本作のマイナスかなーって思うところは?
とにかく曲のスピード、そして音を詰め込み過ぎているせいか、付いていくのがやっとです。
でも、デスメタルアルバムとしては文句のつけようがないクオリティの高い作品だと思います。
色々語ったけど・・・ぶっちゃけ本作ってどうなの?
本作は素晴らしい完成度を誇っており、今までのNileの作品が好きな人なら安心しておすすめできます。
ただし変化はあまり感じられなかったものの、そこがNileらしくて全然アリだと思います。
Nileのファンの方は是非チェックしてみてください。
映像
Call To Destruction
評価
評価:★★★★★★★☆☆☆ (7.0)
Nile 「What Should Not Be Unearthed」をすぐに聴きたいならコチラ